「良い年でした」と言えるということ

[1]

2020年は良い年でした。

 

変なウイルスが仲間入りして、世の中の不安を刺激すれば社会が反応してしまって、多少は足を引っ張りやすく、何も成し遂げられない人が悦に浸れるような年になってしまった。

 

僕にとって辛いのはウイルスではなく人で、蜘蛛の糸のように我も我もと寄ってたかって群がって負の感情を負のまま巻き散らして発言したり攻撃したりしているのが自分に向けられたものでなくても、かなり精神にきてしまっていた。

 

なるべくそういったフラストレーションを音楽に向けないようにして、ただいつものように人生を充実させるものとして取り組んでいたので、僕個人の音楽的活動は充実し、結果的に本当に良い年だった。メンバーへの感謝は計り知れません。僕の無神経な活力を受け止めてくれるメンバーの優しさたるや。

 

 

[2: ZOOZ]

f:id:sssuuummmiii:20201206231111j:image

 

この一年でZOOZの持つバンドの精神性と技術は大きく躍進した(見てもらう場が少ないのがネックだけど)。気高い活動ができていると思う。ジョーザキ君の髪型も更にイケてる気高いものに変わった。

 

ひたすら良い曲と良いライブを追い求める方がよっぽど健全で、ZOOZは自然体でそれをできている。

今年の特殊な時勢に振り回されすぎず、その時その時できることを音楽に落とし込んでいった。

 

「何のために音楽やってるの?」に対して砕いて言えば「やりたいからやってるよ!音楽って楽しくて最高じゃん!(だけどちょっとチヤホヤされたい欲もあるよ)」というスタンスだったなと思う。

 

今年は2枚最高のアルバムを製作したけれど、ただスタンスを崩さなかっただけの話で、執念みたいなものは一切必要ない。楽しめば楽しむほど曲のできるスピードに体がついていかない現象が起きている。来年は更に深化して100枚アルバム作ることになりそう。曲ができるんだから仕方がない。

 

▶︎製作

1stフルアルバム『shu ha ri』(2020年4月発表)

f:id:sssuuummmiii:20201206230426j:image

-shu ha ri  https://linkco.re/M1RdUvgy

 

2ndフルアルバム『Wisteria』(2020年11月発表)
f:id:sssuuummmiii:20201206230422j:image

-Wisteria  https://linkco.re/8yVc2uZU

 

 

[3:THE SALARYMEN]

f:id:sssuuummmiii:20201230165724p:image

https://www.thesalarymen.com/

 

昨年解散した完全にノンフィクション別所さんとのユニット。昨年12月に活動開始し、その際に30秒ほどの100の短編ジングル曲を発表し、それからコンスタントに14の曲集を発表、秋あたりから曲時間が伸びて中尺のジングル集に変わった。全て無料でDLできるし、好きなように使ってもらって良い。

 

お互いの生活のリズムを崩さないように、だけど確実にモノをこしらえる職人のように淡々と活動していた。別所さんとは人生の基本的な価値観が同じなので、話が早い。一緒に飲みに行くことでそれがより浮き彫りになって、すごい速さで大事なことと笑えるしょうもないことが交差して楽しく生きる糧になっていた気がする。

 

大学生の頃、My Spaceという試聴サイト(え?しらない?)で「あぁかっこいいー!」と思っていた人とこうして遊撃兵のように活動できているのは素晴らしいことだと思う。来年も必ず楽しいに決まってる。

 

 

[4:ガストバーナー]

f:id:sssuuummmiii:20201231081709j:image

http://one-tongue.net/2020/09/24/5465/

↑結成インタビュー(沖さん素晴らしい)

 

「口は災いの元」という言葉があるくらいなら、「口は幸せの元」という言葉があっても良いんじゃないか。

 

今年の2月23日、最高のお二人の企画で、ZOOZは名古屋でライブをした。その時にお客さんが話した「みそっかす解散しちゃいましたよ」という言葉に「何か手伝えることがあれば手伝いたいんですけどね」と反応したことがきっかけになり本人にその声が届いた。名古屋のバンドなのに、大阪住みの僕に声をかけるはるきちさんも変だけど、やりますと言った僕も変である。

 

奇しくもその日以降、件のウイルスがきっかけでライブ自体しばらくできなくなってしまった。ぎりぎりのところで滑り込んだような形で結成したので、これもまた、縁なんだなと思う。ガストバーナーの結成を止めることのできなかったウイルスの敗北である。ほら見たことか。

 

メンバーは良い意味で4人ともズレていて(+プロデューサーのマイケルさん)、噛み合わないパズルを無理やりはめていったような、だけどもそうでないとできない歪な芸術のような、不思議な連携が取れている。きっと10年前に組んでいたらすぐ解散しそうなくらい。

 

はるきちさんは、魅力的な人だ。芯があるのに他人の評価をとてもとても気にしちゃうし、でも気に入らないことはしっかり気に入らないと言うし、結局納得する良いメロディと歌詞で全てまとめ上げて努力で良い方向に持っていってしまうので、慕われる人間味だなぁと羨ましくなってしまう。

 

来年も名古屋に通いますよ。

 

▶︎製作

1stミニアルバム『Happy』

f:id:sssuuummmiii:20201231083833j:image

https://youtu.be/3G72M0x7uPs

 

 

[5:SSDD

f:id:sssuuummmiii:20201231083925j:image

http://Instagram.com/SSDD_______

 

「Same Shit Different Day」。「日が変わっても終わってるもんは終わってんな」的な意味ですが、今年の初めはユニットが増えるなんて思ってもみなかった。現在も準備中のバンドから派生したユニットなんだけど、決して「バンドのおまけ」ではない、「それ自体が良い」と思うものになった。

 

シンセボーカルの萌里ちゃんは、驚くほど音楽的に馬が合う。普段聴くジャンルは異なっているのに、かっこいいと感じるツボが同じなので、今年1番刺激を受けて、僕の聴く音楽的な幅が一気に広がった。この人の感性から出てくるサウンドにどうあてがったら1番かっこよく見えるんだろう、成立するんだろうと考えるのが楽しくて、僕としてもすごく挑戦的で潔いユニットになった。

 

来年、想像を殺さないようにして色々できたら良いな。何故か分からないけど、やればやるほど化け物みたいになるんだろうなと思う。

 

 

[6]

16ビートはやおの本体は、会社員である。

会社員であることは正直何もすごくないのに、そこにしがみつくことでしかアイデンティティを保たない人もいるんだなと感じている。見ていて虚しい。

ドラムに関してもそうで、基本的に音楽にドラムは要らないと考えているので、ドラマーは何もすごくない。ドラムが要らない曲は要らない。無理やり自分を捻じ込む必要は一切ない。ましては僕は曲が作れないので余計にそう思う。

そんな僕でも必要とされる部分があって、毎日楽しく過ごせていたので、それなりに自分が存在していて良いんだなと感じていた。

 

まぁ、どう考えても今年は良い年でした。来年もどうせ同じことを言っている。ありがとうございました。来年もよろしくね。