壊れる

 

[1]

どうしようないくらいの怠惰、倫理観が壊れてしまった人、どこまでも堕ちていく生活、どこか耽美的なんだけど、溺れて理性が破壊されている様子、そうなりたくはないんだけど、そういう人や生活が醸し出す壊れてしまった空気はたまらなく好きだったりする。

 

どこで判断を誤ってそういう生活に突入したのか、体の疲労感と頭で考える正常に戻ろうとする思考と現実の砕けた暮らしの不一致さや先の無さにぞくぞくしたりする。

 

[2]

音楽はそういった壊れてしまった人になれるツールだったりする。そういったぞくぞくした我儘を音源にしたりライブしたりして表現し、他人に押し付けて共感を得てもらったりかっこいいと感じてもらおうという非常に暴力的で欺瞞的な所為の連続なのである。むしろ現実の怠惰よりももっと腐敗した耽美すら見せる可能性すらある。

 

紙一重でアートとして分類されているものの、ただの性癖といってしまえばそれまでのもので、そうならないように、ひたすら我儘を純粋に追求して美しいものに仕上げていく鍛錬が大事だったりする。

それは映画も、小説も、漫才も、写真も、研究も、あらゆるフィールドの表現の根は単なる我儘や性癖なんだろうなと思う。

 

いかに体裁や世間体や余計な価値観をつけないで、純然と我儘に素直になれるか、そこにきっと、芸術の面白さがあるんだと思う。明日は個人練。